2010年5月アーカイブ

花粉症と頭痛の関係

花粉症による頭痛に悩む方が多いようです。

花粉症による症状はとても多岐にわたり、鼻や眼以外にも身体の各部位に特有の症状を引き起こし、その一つに頭痛もあるわけです。結果として、花粉が飛散する時期になると、花粉症の患者の中には肉体的にも精神的にも非常に意欲が低下したり、鼻水や鼻づまりで寝不足が生じて頭痛になったり、また鼻の粘膜の炎症で頭痛になる、また鼻の奥で蓄膿を起こしている場合も頭痛の原因といわれています。

いずれにしても、花粉症によって引きおこされるある症状を原因として頭痛を引きおこすことがほとんどなので、原因の症状の改善によって頭痛も改善される可能性が高いと言えます。

 

 

花粉症治療に新たな可能性が。それは「口からの花粉エキス投与」です。
東京都と日本医科大などが平成18年から数年間にわたって花粉症対策の研究を実施し、その成果では7割に効果があったとのこと。
これまでの花粉症治療のような注射による治療と違い、通院の必要がないことから、患者の負担が少ない
この治療法は「減感作療法(げんかんさりょうほう)」といい、花粉エキスを投与することで体内にアレルギーの原因物質を取り込み、症状が出ない体質にするというもの。

花粉症対策の研究内容は花粉症患者142人に2年間にわたり、花粉エキスを含ませた食パンを舌の下に入れる「舌下減感作療法」により行った。結果として約7割に症状が出なくなったり、軽くなったり戸の改善効果が見られ、重い副作用はなかったとのこと。

研究では血液中の遺伝情報などにより、この治療法の効果予測ができることも判明。
しかし、この治療法は専用の薬が作られて認可されるまでに数年はかかることから、一般化するまでの見通しはまだたっていない。

花粉症の時期にが出たり、のどの痛みが出る場合があります。

単なる風邪ということもあるでしょうが、花粉症が原因だとすると、アレルギー物質が直接のどを刺激する場合鼻水がのどに流れ出ていき、その刺激で咳が出る場合があります。これを後鼻漏といいます。したがって、咳が出るほかに痰が増えたと感じることもあります。よくある症状としては、咳、のどがいがいがした感じです。

花粉症が原因の咳だとしても、放っておきこじらせて悪化すると、気管支喘息になってしまう可能性もあるようです。こうなってしまうと耳鼻科よりも呼吸器内科にかかる必要が出てきます。

いづれにしろ、花粉症は早めの受診をおすすめします

花粉症とヨーグルトの関係

花粉症改善のためにヨーグルトに対する注目が高まっています。

なぜヨーグルトで花粉症が改善するのでしょうか。その答えは「免疫力を高める」からです。

ヨーグルトには乳酸菌が含まれ、腸内の善玉菌を増やすということは、ヨーグルトのCMでもアピールしていることですので周知の事実といえますが、そのことにより腸内環境が改善し、ひいては体の免疫力が向上。これが鼻の粘膜にも影響することから、花粉症の症状の改善につながるという考えです。(学説的にも説明されているサイトが多くありますので、詳細はそちらを参照してください。)

体(の免疫力)を強くすること、健康体であることが花粉症を予防することにつながるわけですが、ヨーグルト摂取による花粉症予防は即効性があるというものではありません。日ごろから継続して摂取することで腸内環境が改善され、あるいは良い状態が保たれ、これにより花粉症に抵抗できる体になるということです。

花粉症をはじめとするアレルギー症状の代表的なものとして、くしゃみ、鼻水、鼻づまりがあります。
これは鼻粘膜がアレルギー物質を感知し、鼻甲介という部分をふくらませ鼻をつらせたり、鼻水をつくったり、くしゃみをしたりという症状につながっていきます。

鼻粘膜焼灼手術とは、このアレルギー物質に反応する鼻粘膜、具体的には鼻甲介という部分の粘膜を高周波電流により焼灼するというものです。これにより特に鼻づまりについては劇的な効果が期待されます。鼻水、くしゃみについても鼻づまりほどではないにしても、改善効果が期待できます。ちなみに、西武ライオンズの菊池雄星投手も花粉症対策としてプロ入り直前に施術しています。

手術も簡単で、いわゆる日帰り手術です。
麻酔も注射なしで鼻粘膜から吸収させるので痛くありません。
ちなみに副作用は特に大きなものは無いようですが、かさぶたができます(いずれとれます)。また、はじめの3日くらいは腫れますので鼻が詰まります。それもあって、一度に鼻の両方をせず、数週間ずらして片方づつやるのが一般的です。

効果の期間については、個人差があり、数ヶ月で元に戻ってしまう人、数年持続するひとと様々です。とはいえ、再施術できるので、医師にご相談してみてはいかがでしょうか。

 

花粉の種類についてですが、季節によって飛ぶ花粉の種類が違ってきます。春先は主に木の花粉、秋は主に花の花粉が多いとも言われていますが、次のような種類の花粉が飛散しています。

ハンノキ 1月~3月
スギ  2月~4月
ヒノキ 3月~5月
サクラ 3月~5月
コナラ 4月~5月
クヌギ 4月~5月
イチョウ 4月~5月
スズメノテッポウ 4月~6月
カモガヤ 5月~7月
オオアワガエリ 5月~8月
ヒメガマ 7月~8月
ガマ 7月~8月
イネ 7月~8月
ブタクサ 8月~10月
オオブタクサ 8月~10月
ヨモギ 8月~10月
カナムグラ 5月~7月
セイタカアキノキリンソウ 11月
 (南関東の場合  東邦大学薬学部 教授 佐橋紀男)

花粉はとても飛びやすく、風によって運ばれてきますが、花粉の種類によって運ばれる距離が異なります
スギやヒノキの花粉などは上昇気流に乗ると数十キロも離れた距離を飛びます
一方、ブタクサ、ヨモギなどは半径数キロ程度と飛距離が短くなります。
また、天気のいいからっとした日は花粉日和です。天気予報では花粉情報も一緒にお知らせすることが当たり前になりましたが、外出前にしっかりチェックしてマスク、眼鏡、薬などの対策を心がけましょう。

 

花粉症の時期について

花粉症の多くの方はスギ花粉による花粉症で、春先が最も多く注目されていますが、花粉症が発生する時期をみると1年中、様々な花粉が飛んでいることがわかります

以下に花粉症原因植物についていつ頃花粉が飛んでいるのかまとめました。

1月の花粉
 ハンノキ

2月の花粉
 ハンノキ、スギ

3月の花粉
 ハンノキ、スギ、ヒノキ、サクラ

4月の花粉
 スギ、ヒノキ、サクラ、コナラ、クヌギ、イチョウ、スズメノテッポウ

5月の花粉
 ヒノキ、サクラ、コナラ、クヌギ、イチョウ、スズメノテッポウ、カモガヤ、オオアワガエリ

6月の花粉
 スズメノテッポウ、カモガヤ、オオアワガエリ

7月の花粉
 カモガヤ、オオアワガエリ、ヒメガマ、ガマ、イネ

8月の花粉
 オオアワガエリ、ヒメガマ、ガマ、イネ、ブタクサ、オオブタクサ、ヨモギ

9月の花粉
 ブタクサ、オオブタクサ、ヨモギ、カナムグラ

10月の花粉
 ブタクサ、オオブタクサ、ヨモギ、カナムグラ、セイタカアキノキリンソウ

11月の花粉
 セイタカアキノキリンソウ     

  (南関東の場合  東邦大学薬学部 教授 佐橋紀男)

南関東をみても、12月以外は何らかの花粉が飛んでいます。
日本全体で見れば、年中何処かで花粉が飛んでいるということになります。

花粉症の主な症状

花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに代表されますが、この他の症状として頭痛、目のかゆみ、目の充血、涙目、咳、のどの痛み、皮膚がかゆくなる、熱、耳のかゆみ、また、これらが元になって倦怠感、集中力の低下など、粘膜や皮膚に関する症状や体調そのものにも影響を及ぼすアレルギー疾患です。

日本では人口の約2割が花粉症にかかっていると言われており、その多くはスギ花粉が原因で発症していますが、スギ以外でもイネ花粉、ヒノキ花粉、白樺花粉、ブタクサ花粉といった様々な花粉が特定の季節に飛散し、花粉症を引き起こします。

例えば、南関東で言えば、代表的なスギ花粉は2月から4月、ヒノキ花粉は3月から5月、イチョウ花粉は4月から5月、稲花粉は7月から8月、ヨモギ花粉は8月から12月と、1年中、何らかの花粉が飛んでいることになります。

全ての花粉にアレルギーを起こすわけではありませんが、複数に反応する場合もあります。

風邪の症状と似ていることから、花粉症による症状なのか風邪によるものなのか見分けがつかない方も多いと思いますが、風邪の症状に比べて熱、頭痛、関節痛、のどの痛みなどは比較的軽めであり、しかし長く続くというのが一つの見分け方です。

花粉症はそれまで発症していなくとも、急に発症するものです。今まで大丈夫だったからこれは風邪だろうと、くしゃみや鼻水等を放っておかずに、早めに医師に相談しましょう。

 

 

花粉症の薬について

花粉症は神経や血管などが刺激されるアレルギー反応であり、その症状としてはくしゃみ、鼻水、目のかゆみ、倦怠感、微熱、皮膚のかゆみ、のどの痛みなど多岐にわたります。

花粉症の薬はアレルギー反応の元となる、体内に出来たヒスタミンの発生を抑えたり、ヒスタミンの働きを抑える働きや、炎症そのものを抑えることにより症状を緩和します

病院で処方される花粉症の薬であるアレグラやアレロック、市販薬でお馴染みの鼻炎カプセルなどがあります。

1,抗アレルギー薬
抗アレルギー薬はヒスタミンの発生と放出を抑える効果、症状が出始めるのを遅らせる効果がある。副作用の少ない薬が多いため長く飲み続けることが出来る。ただしそれほど強い薬ではない。
処方薬として代表的なものはアレジオン、アレグラ、アレロック、ジルテック、インタールなど

2,抗ヒスタミン薬
処方薬のポララミン、リボスチンなどの他、市販の薬に多く含まれる。 ヒスタミンの働きに直接的に作用し、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの花粉症の症状がひどいとき等即効的な効果が期待でる。

3,ステロイド(副腎皮質ホルモン剤)
ステロイドとは、本来人体の副腎皮質で分泌されているホルモンを人工的に作り出した薬剤。ヒスタミンによる鼻の粘膜の炎症、目の結膜の炎症を沈静化。免疫系など組織の反応性を低下させることでアレルギー反応を抑える。非常に強力な効果がある。処方薬としてはセレスタミンなど。

4,市販薬
花粉症用あるいは鼻炎用として売られている薬の多くが抗ヒスタミン薬。副作用として強い眠気があが即効性が高い。最近は処方薬の一部(パブロン鼻炎カプセルZ、ハイガード、アルガードシールドなど)がスイッチOTCとして市販薬に登場。

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